Salesforceの生産性 ー ローコード開発の秘訣

弊社の理念である『あなたの「正しく」を「素早く」』に最も深く関係する「Salesforceの生産性」について、筆者の経験に基づいた考えをご紹介したいと思います。ちなみに、ここでの生産性とは「Salesforceを導入した後の業務の生産性」ではなく(これはまた別の機会にお話ししたいと思います)、「他のシステム導入と比べてSalesforceの導入はどれほど工数を削減できるか」という意味です。

Salesforceの生産性といえば、関係者の間では有名な「Force.comの生産性は5倍」という言い伝え(?)かと思います。Force.comとは今でいうLightning Platformのことで、その5倍という数字に関してGoogle検索で探すとこのようなスライドが見つかります。このような調査もあります。私も正しくプロジェクトを進めれば5倍、もしくはそれ以上の生産性はあると実感しています。


その理由にクラウドであることに起因する環境構築工数の削減なども挙げられていますが、強調されているのは「マウスによる(GUIベース)開発作業80%、コードによる開発作業20%」という「ローコード開発」です。

最近注目されている「ノーコード・ローコード開発」とは、アプリケーションの開発がすべて、もしくはほとんど画面からの設定作業でできてしまうプラットフォームでの開発のことです。今では多くのローコード開発プラットフォームが存在し、このサイトでは日本でみられるローコード開発プラットフォームが比較されています。Salesforceも登場しており(中堅企業ではよいポジションだが大規模・中小では・・・という評価はあまり納得いきませんが)、私自身もSalesforceはローコード開発プラットフォームとして非常によくできていると実感しています。

しかし、ここで強調したいのは、少なくともSalesforceにおいて生産性が高い理由は「ローコード開発によりコーディングする開発者の工数が削減されるため」ではない、ということです。なぜならば、実際の現場では

  • 大なり小なりコーディングを必要とするため開発者は必要
    コーディングがゼロなら開発者は不要、そうすれば全部自分達でできる、と利用者は思いがちですが、経験上、Salesforceで業務をより良くするためには多少の開発は常に発生します。
     
  • 「複雑な設定」よりも「きれいなコーディング」の方が工数減
    利用者が自分達で複雑な設定をするよりも、よい開発者がサクッと書いたプログラムの方が開発も運用も断然うまくいく、ということはよくあります。
     
  • そもそも「コーディング」にかかる工数はそれほど大きくない
    開発プロジェクトの工数は「要件定義:コーディング:テスト = 3:4:3」といわれることがあります。これが正しいとするならば、仮にコーディングの工数がゼロになったとしても、プロジェクト全体の工数は1/5どころか半分にもならないことになります。

ということが多いからです。この誤解によりSalesforceの利点を享受できないばかりか、通常の開発よりも工数のかかる「沼」にはまってしまうプロジェクトを散見します。

それではローコード開発によってSalesforceの生産性の高さを引き出す秘訣とは何でしょうか?キーワードは以下の3つです。

  1. プロトタイピングによる効果的な『要件定義』
  2. 開発者のパフォーマンスを引き出す『コミュニケーション』
  3. 開発・テスト・未来の開発工数を減らす『作らない開発』

次回より1つ1つを詳細に説明していきます。

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